メダカ飼育を楽しんでいる皆様、こんにちは、ちわ丸メダカブログです。
気温がグッと下がり、いよいよメダカたちの活動が鈍くなる季節がやってきました。
初心者の方、これからメダカを飼ってみようと思っている方の中には、様々な疑問や不安があるのではないでしょうか？
- 冬の管理ってどうするの？
- ヒーターは必要？
- 冬でも繁殖はできる？
そして、多くの人が最も気になっているのはこれだと思います。
- そもそも、冬にメダカ飼育って楽しめるの？
春になると「メダカシーズン到来！」なんて聞くと、逆に冬はシーズンオフで楽しめないのでは？と考えてしまいますよね。
ですが、ご安心ください！
冬でも適切な方法でメダカの飼育を楽しむことは十分に可能です！
他の疑問点に対しても結論からお伝えすると、ヒーターが無くても成魚の飼育は可能。また、ヒーターを使用すれば、冬でも繁殖を楽しむこともできます。
以上を前提に、基本的な冬のメダカの飼育方法や、注意点について整理していこうと思います。初心者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
私もこの記事を書きながら、冬支度をしていこうと思います。
冬のメダカの生態と準備（基礎知識）
低水温で活動を停止するメダカたち（冬眠・休眠のメカニズム）
メダカは変温動物なので、水温が下がるとそれに合わせて体温と代謝も急激に落ちます。メダカは体温が下がることで代謝を極限まで落とし、水底や水草の陰などでじっとして、エネルギーを消耗しないように冬を乗り越えます。この時、消化器官の働きも低下しているため、無理に餌を与えてしまうと消化不良を起こし、命取りになりかねません。無理に餌を与えるのは絶対に避けましょう。
自然界のメダカは、水温が12℃から10℃を下回ると餌の食いが悪くなり、5℃以下になるとほとんど活動を停止します。これが「冬眠（休眠）」状態です。
まずは、地域差を意識
私たちの住む日本は、北と南で気候が大きく違いますよね。メダカの越冬も、住んでいる地域によって難易度が変わってきます。また、同じ地域でも飼育場所によって大きく水温も変わることも、忘れないようにしましょう。
- 温暖な地域
九州や四国、太平洋側などの地域では、水が完全に凍ることが少なく、越冬は比較的容易です。ただし、急な寒波や、数日続く厳しい冷え込みには油断せず注意が必要になります。
- 寒冷な地域
北海道や東北、北陸山間部などでは、水面が完全に凍るリスクが高まります。
特に寒冷な地域では、飼育容器で水深を最低15cm以上確保して、水底が凍り付かないように対策をする必要があります。
冬の飼育・管理方法と注意点（屋外越冬と室内飼育）
【屋外越冬】越冬成功のための準備とポイント
- メリット
春にメダカが元気いっぱいに活動を再開し、丈夫な卵を大量に産んでくれる可能性が高まります。 - デメリット
個体によっては、低水温や水温差に耐えきれず、命を落とすリスクもあります。冬の間はほとんどメダカの姿が見られません。でもそれが自然に近い姿。そっと様子をのぞいて見守ってあげましょう。
基本飼育
基本的には、手を加えません。手を抜いた方がうまくいくといくと言われるくらいです。凍結や水位の低下、大幅な気温差などには注意しつつそっと見守りましょう。
餌やり
水温が10度を下回ったら基本的に与えません。餌切りといわれます。
水換え
基本的に餌切りをするため、水質悪化はほとんどありません。水換えは極力控え、蒸発した分の足し水での対応が基本となります。
注意点
水温変化に注意（越冬容器と設置場所）
屋外飼育では、設置場所によって日中と夜間で水温が激しく変化（10℃以上の差が出ることも）し、これがメダカの体調不良や病気の原因につながります。水温変化が安定するよう、軒下や半日陰など、直射日光が当たりすぎない場所に設置しましょう。
同じ地域、敷地内であっても、日の当たり方、容器の色や水量、置き場所によって水温は大きく変わります。初めての冬のメダカ越冬においては、発泡スチロール容器がおすすめです。発泡スチロールは、優れた断熱性能を備えており、外気温の影響を受けにくく、水温の急激な変化を防いでくれます。
凍結に注意
水が完全に凍り付くと、メダカは死んでしまいます。上でも述べた通り、寒冷な地域では、飼育容器で水深を最低15cm以上確保するようにしましょう。これを防ぐ簡単な予防策として、またまた発泡スチロールの登場です。水面に小さくカットした発泡スチロール片を浮かべておく方法が効果的。浮かんでいる部分の水面は外気の影響を受けにくく、凍結防止になります。
もし予防が間に合わず完全に凍ってしまった場合は、氷を取り除いて、空気の通り道を作ってあげましょう。
病気に気をつけて！冬本番前の最後のチェック
- 秋の間に体力を蓄える
冬の低水温に備え、水温が高い時間帯に餌を与え、メダカによく太って冬越しの体力をつけてもらいましょう。 - 病気の治療は越冬前に完結
白点病や尾ぐされ病などの病気は、越冬中に治ることはほぼありません。越冬に入る前に病気にかかったメダカを見つけたら、薬浴などで必ず治癒させましょう。
- 柿の葉を入れて免疫アップ？
飼育容器に、柿の葉を投入することで、単純に隠れ家としてメダカに安心感を与えるだけでなく、水中に溶け出す成分が、メダカの健康に役立ちます。
タンニン・フミン酸の力: 柿の葉にはタンニンやフミン酸などの腐植酸が豊富に含まれています。これらは水を弱酸性に傾け、病原菌の増殖を抑える抗菌作用や、メダカの粘膜を保護する効果が期待できます。
ブラックウォーター効果: 葉が分解されることで水の色が薄い茶色（ブラックウォーター）になり、これが自然に近い環境を作り出し、メダカのストレスを軽減します。
ネット販売でも簡単に入手することができるので、試してみるのがいいでしょう。
【屋内飼育】ヒーター使う？使わない？
室内飼育では、屋外飼育と比べ比較的水温を安定させることができます。一般的に、屋外飼育より、水温が確保できるため、メダカも活動的になります。そのため、考えることややるべきことが少し増えます。ここでは、ヒーターの有無で、2つのシチュエーションに分けて整理していきましょう。
ヒーター無しで、室内でメダカ本来（成魚）の飼育（観賞）を楽しむ
ヒーター無しの場合、水温は室内温度に依存します。ベストな飼育方法は、飼育環境やメダカの個体差にもよりますので、一概に言えないのが正直なところ。水温や、メダカの活性に応じたお世話をしてあげるのが基本になります。
細かいことを挙げだしたらキリがないのですが…
元来、メダカは厳しい自然界を生き抜いています。極端に水温が上下しない限り、メダカが体調を崩す心配はないでしょう。肩の力を抜いて、メダカ飼育を楽しみましょう！
- メリット
暖房の効いた部屋や冬でも暖かい日には、元気に泳ぐメダカの姿を楽しめます。水温によって、メダカがどのような動きをするのか、学ぶことができます。 - デメリット
餌の量や水かえ頻度は、室内の温度によってかわります。暖房が常時稼働するリビング、日の当たらない部屋など環境は様々。当然、常時暖かい環境においては、メダカの活性も高く、餌やり、水換えも必要になってきます。用意した環境をメダカの生態にあてはめて把握してあげることが大切です。
基本飼育
基本的には、水温を基準に考えましょう。
- 餌やり
水温が10℃を下回ったら基本的には餌やり不要。また、10℃前後で、水温が上下する場合、明らかに活性が高く餌を要求してくるならごく少量、すぐに食べきれる量（個体差によるので観察が必要）を与えます。 - 水換え
足し水での対応が基本。水換えは極力控えます。あきらかに水が汚れている場合には、3分の1〜4分の1程度水換えを行います。水温差のない水を使用します。
注意点
水温が低い時期は、餌のやりすぎに特に注意が必要です。メダカが消化不良を起こしたり、食べ残しで水質が悪化する原因になります。
また、水換えの時に水温差がありすぎると、メダカがショックを受けてしまいます。どちらもメダカに深刻なダメージを与えてしまうので、十分に気をつけましょう。
ヒーターを使って室内で繁殖させて楽しむ
- メリット
シーズン同様、活発なメダカの生態を見ることができ、繁殖や稚魚飼育を楽しむことも可能になります。 - デメリット
冬の間も活動させ続けることは、メダカ本来の自然なリズムを崩し、結果として寿命を縮めてしまうリスクがあります。親メダカも休まず体力を消耗し続けるため、いざ春の繁殖期を迎えた時に、産卵数などが落ちてしまう可能性が高くなります。
また、冬の稚魚飼育は水質や水温管理が非常にデリケートで、難易度が少し上がります。
加えて、ヒーターを稼働させる分の電気代もかかることを覚えておきましょう。
基本飼育
春から秋にかけてのシーズンとほとんど同じお世話をすることになります。
- 餌やり
すぐに食べきれる量を目安に、１日２回朝夕に与えます。 - 水換え
週に1回、水槽の水の半分から３分の２程度を目安に水かえします。
繁殖を狙う場合には、光量も意識
基本飼育に加え、ライトによる照射で意図的に産卵を誘発します。繁殖には、光量が最も重要。1日10時間から12時間の照射時間を確保しましょう！孵化のさせ方、張り子の育て方については、下記のリンク先で詳しく記載していますのでぜひご覧ください。
ヒーターをいくつも準備できないという方は、一つの加温水槽を分割して、効率的に管理しましょう。
加温による繁殖、そして針子（稚魚）飼育で最も重要なのは、なんといっても水温を一定に保つことです。
中には28℃から30℃といった高水温で活発に繁殖を始める個体もいます。ご自身のメダカに適した水温を見つけ、繁殖の可能性を少しでも高めたい方は、サーモスタット付きヒーターを選びましょう。水温を細かく調整でき、設定した温度で自動的に制御してくれます。
注意点
加温飼育の場合、水換えの際には特に水温差に十分注意が必要です。
冬の外気にさらされた冷たい水を、そのまま飼育水槽に使用するのは絶対に避けましょう。急激な水温差はメダカに大きなダメージを与えてしまい、最悪の場合、体調を大きく崩す原因となります。水換えに使用する水は、必ずヒーターなどで温め、飼育水と同じ水温に合わせて注水しましょう。
また、冬に新しくメダカを迎える場合は、水温や水質が大きく変化するため、点滴法での水合わせがベストです。冬はメダカの免疫力が落ちていることも考えられるため、通常よりもさらに時間をかけて、ゆっくりと新しい環境に慣らしてあげてください。
まとめ
冬のメダカ飼育の楽しみ方は、これまで述べてきた通り、ざっくり分けて以下の3つです。
- 屋外越冬
- 室内無加温(ヒーターなし)
- 室内加温(ヒーターあり)
いずれの方法を選択するにしても、冬のメダカ飼育で最も重要な指針となるのは「水温」です。少なくとも飼育場所のゾーンごとに水温計を設置し、ご自身の環境の水温をしっかり把握できるようにしておくことが非常に重要です。安全な冬の飼育のためにも、必ず水温計を用意しましょう。
水温とメダカの活動、そして飼育管理の関係をまとめると次のようになります。
- 水温が高ければ、メダカは活動的になり、餌をよく食べるようになります。それに伴い、餌やりが増えれば水質が悪化しやすくなるため、定期的な水換えが必要になります。
- 水温が低ければ、メダカの活動は低下し、餌もほとんど食べなくなります（与えすぎは消化不良の原因となるので厳禁です！）。そのため水質は悪化しにくく、基本的に頻繁な水換えは不要となります。
まずはこの基本原則をしっかりと理解し、あとはご自身のメダカの様子や環境に合わせて、最適な飼育方法を見つけていきましょう。
冬の時期は、シーズンに比べてやってあげられることが少なくなることは、事実です。ですが、決して楽しめないというわけではありません。もしも、物足りない方は、春に向けて飼育者自身が知識を増やしたり、新たな改良メダカの情報収集をして、妄想を膨らませるのも楽しいです。すぐに春はやってきます！
色々書いてきましたが、最終的な結論としては、どの飼育方法を選択しても楽しめるということです！
- 春からのハイシーズンに向けて健康的な親メダカを育てたい！
→ ①越冬がおすすめです。 - とにかくメダカの姿を見たい！ → ②室内無加温(ヒーターなし)がおすすめです。
- 冬でも繁殖を楽しみたい！→③室内加温(ヒーターあり)がおすすめ！
初心者の方には、まず ②室内でメダカ飼育そのものを楽しむことをおすすめします。寒い屋外で管理するよりもリスクが少なく、身近でメダカのお世話を続けることで知識も増えていくと思います！
この記事が、少しでも多くのメダカ愛好家の皆さんのお役に立てば幸いです。
ご自身のメダカの環境と目的に合った方法で、この寒い冬を乗り切りましょう。
それでは、また！
